医療法務
医療法務へのおもい
少子高齢化、国家財政の悪化と社会保障費の逼迫、専門家の権威の低下と消費者の権利意識の向上、ガバナンスとコンプライアンス、IT化と第四次産業革命―――。近年、あらゆる分野において企業経営を取り巻く環境は加速度的に変化していますが、医療分野にあっては特に顕著といえます。
私は、縁あって弁護士2年目から医療機関の経営支援に携わるようになり、15年以上にわたり業務の主軸としてきました。その中で目の当たりにしてきたのは、上記のように激変する環境の中で、従来にはなかった複雑かつ多様な課題に直面し、悪戦苦闘する医療経営者の方々の姿です。
そうした医療経営者の方々と手を携え、課題の解決をお手伝いさせていただくことは、私にとって誠に弁護士冥利に尽きる仕事でした。それによってクライアントである医療機関が業務の障害を取り除き、よりよい医療を社会に提供できるようになることが、実感できたからです。
経営者とは、得てして孤独なものです。私たちは、まず、経営者に徹底的に寄り添うことから始めます。ご意向の全てを叶えることができるわけではありません。法律上の制約や、客観的に見て不利な点があれば、そこは率直に進言させていただきます。それでも、志高く全身全霊で使命に臨む経営者の「おもい」を無視することは、絶対にありません。ともに修羅場を乗り越え、ときには意見をたがえつつも、いつしか「戦友」と呼んでくださるようになった医療経営者の方もいらっしゃいました。
プロフェッション(profession)という言葉をご存知でしょうか。「人のために尽くすよう天地神明に誓うこと(profess)が求められる専門職」のことで、高度の職能と倫理性が要求され、伝統的には宗教家・医師・弁護士の3つが代表例とされます。医師がその本来の力を発揮し、社会的使命を果たすための真の伴侶は、プロフェッションとしての職業的理念を共有する弁護士を措いてほかにありません。
私たちは、伝統的な顧問弁護士のあり方とは一線を画し、医療訴訟等の紛争対応にとどまらず、医療業界特有の規制・慣行・構造等をふまえつつ、経営の中で生じる諸問題に幅広く対応いたします。また、いわゆる経営コンサルタントとも異なります。私たちは、医療経営を支えるプロフェッションです。